イッタラやアラビア、マリメッコ、IKEAなど、北欧人気は冷めることを知らず、むしろ冬に向けてますます盛り上がってきていますね。

北欧人気とともにブームが再来しているのがムーミン。フィンランド生まれのユニークでちょっと不思議なキャラクターたちは常に様々な雑貨屋さんでコーナーがつくられています。

 

当店ではアーティスト村上周(むらかみあまね)氏がプロデュースするブランドamabro(アマブロ)とムーミンのコラボアイテムをご紹介してきました。有田焼九谷焼という日本の伝統工芸品の中にスッと溶け込んだムーミンの世界観は唯一無二のもので、今年2月の発売以来人気商品となっております。

なんとムーミンの本場フィンランドやお隣のノルウェーなどの北欧の国の方からもご注文をいただき、日本の工芸品が本場に認められたようでうれしく思っております。

 

そんなamabro×ムーミンに新シリーズ益子焼(ましこやき)のプレートが仲間入りしました!

これからの季節にピッタリのほっこりとしたデザインで、スタッフの間でも大評判です。本日はムーミンシリーズの新商品益子焼のムーミンについてご紹介いたします。

 

小説ムーミンの挿絵を素朴な益子焼で表現 益子焼 × ムーミン

益子焼とは?

益子焼とは、栃木県芳賀郡(はがぐん)益子町周辺を産地とする陶器のことです。

始まりは江戸時代の終わりごろで、よい陶土を産出することや東京に近いことから、水がめや鉢などの日用品の生産地として栄えました。

益子焼の芸術性が世間に認められるようになったのは、大正時代に起きた民芸運動がきっかけでした。民芸運動とは「日常的な暮らしの中で使われてきた手仕事品に用の美を見出す」という運動で、今まで日用品として身の回りにあふれていたものの中に、芸術性を見出すというものでした。

この民芸運動がきっかけとなって益子焼の魅力は全国に広がっていきました。

 

益子焼の特徴は、砂気が多くてごつごつとした土で作られるため厚手でどっしりとした重たい陶器となること。それが益子焼らしい素朴な味わいを出しています。

また、益子焼の特徴と言えばその釉薬です。益子焼の土は釉薬との相性がよく、様々な釉薬が使われてきました。代表的なものは糠白釉(ぬかじろゆう)とよばれる乳白色の釉薬や柿と呼ばれる赤茶色の釉薬です。

今回のムーミンシリーズにも糠白釉や柿が使われています。

 

かわいい5種類のお皿

益子焼×ムーミンのお皿は全部で5種類。それぞれに使われている釉薬の名前がそのままお皿の名前になっています。小説の紹介と一緒に簡単にご紹介します。

①「Nukajiro」ぬかじろ

「ムーミン谷の冬」の一場面。ムーミンが氷の海に誤って落ちてしまったところです。益子焼の伝統的な釉薬「糠白釉」がお皿の下の部分にふんわりとかけられています。

②「Seiji」せいじ

「ムーミン谷の夏祭り」の一場面。ムーミン谷が洪水に襲われ、船で逃げる途中に船から下りてみんなで歩いているところです。美しい青色の釉薬は「青磁釉(せいじゆう)」と呼ばれるものです。

③「Kaki」かき

「たのしいムーミン一家」の一場面。ニョロニョロたちが島を離れていくのをみんなで見守っています。赤茶色の釉薬は益子焼伝統の「柿釉(かきゆう)」です。

④「Gosu」ごす

「ムーミン谷の冬」の一場面。ムーミンが人生で初めての雪に感動しています。全体にかかっている青色の釉薬が「呉須釉(ごすゆう)」で、下の白い釉薬は糠白釉です。

⑤「Ame」あめ

「ムーミン谷の冬」の一場面。スナフキンが旅から帰ってきているという回想シーンです。全体にかかっているオレンジ色の釉薬が「飴釉(あめゆう)」で、下には糠白釉がかかっています。

ちなみに筆者が実際に見て一番気に入ったのはこのAme。旅人スナフキンの雰囲気とカボチャやドングリを彷彿とさせる飴色×白色の組み合わせにとてもほっこりします。

他のムーミンシリーズとの違いは?

amabro×ムーミンのコラボシリーズでは、九谷焼では華やかな世界を、有田焼では染付(そめつけ)という技法でやさしい世界観を表現してきました。

益子焼×ムーミンの特徴をちょこっとご紹介します。

1.トーベ・ヤンソンの挿絵がそのままお皿に!

益子焼×ムーミンのお皿の最大の特長は、小説ムーミンの中の挿絵をそのままデザインしているということ。

有田焼と九谷焼のシリーズではムーミンたちが日本風の世界に溶け込んだオリジナルのデザインになっていますが、益子焼では作者トーベ・ヤンソンさんの絵をそのままお皿に表現しました。

ムーミンの小説を読んだことのある方でしたら、「あ、これあの場面だ!」とすぐにわかるはず。

 

例えば冬らしいデザインのムーミンがかわいい「Gosu」は小説「ムーミン谷の冬」の一場面。透明感のある「呉須釉(ごすゆう)」で挿絵が表現され、お皿の下は掛け流しとよばれる方法で糠白釉がかけられています。雪が積もったみたいですね!

ちなみにこちらの「Gosu」で描かれた挿絵、なんと今年のアラビアのムーミンマグカップのデザインと一緒なのです!

アラビアはフィンランドの国民的な製陶所で、毎年冬に限定シリーズとしてムーミンの食器を発売しています。その2018年のデザインが、益子焼の「Gosu」と同じ「ムーミン谷の冬」のこの場面なのです。なんという偶然なのでしょう!

アラビアのムーミンアイテムを毎年チェックしているという方はぜひ益子焼のお皿も揃えてみてはいかがでしょうか。

 

2.両手で包むくらいの大きさ

「九谷焼×ムーミン」と「有田焼×ムーミン」のお皿は直径13㎝ほどのこぶりの小皿サイズ。

小さなお菓子を置くのにピッタリです。

一方益子焼のお皿は直径15.5㎝。小皿と言われるのがだいたい直径15㎝のお皿なので大きめの小皿です。片手でもつというよりも、両手で包むくらいの大きさになっています。

大きめのお皿なので、取皿としても便利なサイズです。イッタラやアラビアなどの北欧食器と一緒に小皿として出しても、土鍋を囲む和食器の小皿としても合いそうです。

 

3.お皿の裏には「ご先祖様」が!

amabro×ムーミンのシリーズはお皿の裏にもかわいいキャラクターがいます。

九谷焼ではミーサが、有田焼の小皿にはスティンキーが、お猪口にはソフスがいました。どれもムーミン好きの方にはキュンとくるチョイスですよね。

益子焼のお皿の後ろには「ご先祖様」がいます。

その名の通り、ムーミンたちのご先祖さまで、水浴び小屋の戸棚でひっそりと暮らしていたところをムーミンに見つかり、その後ムーミンの家に住み着いてしまうかわいらしいご先祖さまです。ストーブが大のお気に入りです。

 

 

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以上amabro×ムーミンの新シリーズ益子焼×ムーミンのご紹介でした。いかがでしたか?

益子焼の素朴であたたかい雰囲気とムーミンたちの挿絵はこれからのシーズンにピッタリです。

今年の冬はかわいらしいムーミンのお皿と一緒にほっこりしませんか?