琉球漆器とは?鮮やかで美しい沖縄の伝統的な漆器

沖縄の伝統的な琉球漆器

華やかなコントラスト!外国との交流を伝える琉球漆器

赤に黒、黄色や緑。
華やかな色づかいと多彩な技法が特徴の琉球漆器。
艶やかな器たちは、かつての外国との交流を今に伝えています。


意外と知られていない!沖縄の漆器

「沖縄でも漆器がつくられているの?」
と、初めて知る方もいらっしゃるかもしれません。
沖縄の工芸品といえばやちむんや琉球ガラスが有名ですが、意外と知られていないのが沖縄の漆器、「琉球漆器(りゅうきゅうしっき)」。

琉球漆器とはいったいどんな漆器なのでしょうか?
今回は沖縄ならではの華やかな漆器をご紹介しましょう!

南国の気候が育んだ、つややかな漆器

沖縄で漆器づくりが栄えた理由の一つに、恵まれた気候があります。
漆器づくりに欠かせないのが、温度と湿度の2つ。
漆は水と違い、乾燥させるために湿度が必要なのです。
沖縄の年間平均気温は22.4℃、湿度は77%。漆器づくりに適した亜熱帯の気候が琉球漆器を育んできました。

琉球漆器のはじまりは中国との交易

琉球漆器は、14世紀以降に中国から伝わったと考えられています。
伝来した漆器づくりの技術は、やがて沖縄独自の漆器の技術へと発展。琉球漆器は中国への貢物としても贈られるように。

15世紀に琉球王国が統一されると、組織的に漆器を作るための貝摺奉行所(かいずりぶぎょうしょ)が設置。漆器の生産が管理されるようになります。漆器は王族や士族の暮らしで使われた他に、地方においても祭祀や儀式で漆の装飾品が用いられました。

1879年の廃藩置県によって琉球王国がなくなると、貝摺奉行所も廃止。現代では琉球漆器は一般向けの食器や土産物として製作される事が多くなりました。

琉球漆器の特徴は?

琉球漆器は朱色と黒色の艶やかなコントラストが美しい漆器。中国から伝わった技術を独自に発展させてきた沖縄の漆器は、加飾技法が豊富なことで知られます。

琉球漆器の加飾技法は「沈金(ちんきん)」や「箔絵(はくえ)」、「螺鈿(らでん)」や「蒔絵(まきえ)」などいろいろありますが、中でも「堆錦(ついきん)」が沖縄独自の技法として有名。漆に顔料を混ぜて練られた「堆錦餅(ついきんもち)」と呼ばれる材料を薄く延ばして貼り付け、立体的な装飾をほどこします。

図案も中国の影響を受けた龍をモチーフとしたものから、沖縄らしい「ハイビスカス」や「ゴーヤー」、「ゆうな」など。南国の草花が描かれているのも琉球漆器の特徴の一つといえるでしょう。朱色や黒色だけでなく、緑色や黄色を使った色づかいも華やかです。

木地の素材も豊かな沖縄

自然豊かな沖縄は、漆器の木材も豊富。
漆器の素地には沖縄県の県花である「デイゴ」や「シタマキ(エゴノキ)」「センダン」と呼ばれる木材が多く使われます。

ゆがみや変形に強くて軽い「デイゴ」は宮廷料理の器「東道盆(とぅんだーぼん)」や喰籠(じきろう)に。「シタマキ」はお椀や茶托、菓子器などに用いられます。

琉球漆器のお手入れは?

「琉球漆器ってお手入れが大変かな?」
そう思われる方も、ご心配には及びません。
琉球漆器も、他の産地の漆器と同じ。大切に使えば長くご愛用いただけます

ポイントは直射日光にさらさないこと、柔らかいスポンジで洗い、柔らかいふきんでふくこと。電子レンジや食器洗い乾燥機はご使用にならないでくださいね。

暮らしを楽しむアイテムに琉球漆器を

沖縄のお土産というと琉球ガラスやシーサーなどが人気ですが、琉球漆器もイチオシ!沖縄観光の際には琉球漆器体験に参加してみてはいかがでしょうか。

沖縄ならではの華やかさがある琉球漆器は、他の産地では手に入らないもの。鮮やかで美しい琉球漆器のお気に入りを、ぜひ見つけてくださいね!琉球漆器では食器だけでなくアクセサリーなど、モダンな工芸品も多く作られています。琉球漆器のある暮らしを、あなたも始めてみませんか?

漆器をお探しならこちらもオススメ

漆器のお好きな方には、こちらの特集もおすすめです。日本デザインストアでは、輪島塗や山中漆器、静岡県の金剛石目塗(こんごういしめぬり)など、多彩な漆器を取り揃えております。大切な方へのプレゼントにもぴったり!