本日は、時々皆様から頂くご質問についてお伝えしたいと思います。

1616/Arita Japan の1616ってなに?」

こちら、お客様から時々頂くご質問です。

確かに思い起こせば2年前、私も初めて1616 arita japanのロゴを見た時は、なんと読んだらよいのか分かりませんでしたし、1616の意味を知る由もありませんでした。そこで今回は改めて「1616 arita japan」のネーミングについて詳しくお伝えしたいと思います。

1616/arita japanの読み方は?

まず読み方です。読み方を知らないと中々人に伝える事ができませんよね、ブランドの読み方は大事です。

1616 arita japan は イチロクイチロク アリタ ジャパン と読みます

1616の4桁。この4桁についてはこの後ご説明しますが、実は有田焼が誕生した西暦を表しています。そのため1616の意味を知ると「千六百十六(せんろっぴゃくじゅうろく)」と呼びたくなるものですが、ここは食器のブランドネーム。言葉の響き、リズムを考慮し「イチロクイチロク」と名付けたと考えられます。

1616 arita japan

1616 arita japanの1616の意味は?

日本の磁器発祥の地であり、国内外から高い評価を得ている佐賀県の有田。その有田で初めて磁器が焼成されたのが1616年だと言われています。今から約400年前の江戸時代初期。時は元和2年、かの有名な徳川家康の没した年号でもあります。

有田焼の誕生はまさにその時代に翻弄された一人の陶工(陶器作りを生業とする者)によりもたらされたもの。有田焼(伊万里焼)は、豊臣秀吉の朝鮮出兵の折に、佐賀藩主・鍋島直茂によって連れて来られた朝鮮陶工の一人、李参平(り さんぺい)が生み出したと言われています。

佐賀県に連れて来られた李参平は当初陶器を焼いていたものの、より良質な磁石を求めて旅に出て、有田東部の泉山にて良質で大量の白磁石を発見。その白磁石を材料とし、1616年に有田の地で日本で初めて白い肌の陶磁器「白磁(はくじ)」を作ったとされています。

李参平は有田の「陶祖(とうそ)」と称されており、金ヶ江三兵衛(かながえ さんべえ)という日本名も与えられました。そして有田の総鎮守である陶山神社には応神天皇・「藩祖」鍋島直茂とともに祭られています。現在もその技術は直系の子孫により脈々と受け継がれており、14代まで続いています。

なぜ1616がブランド名になったのか?

「1616/arita japan」は有田焼の新しいブランド名であり、磁器商品は有田焼の歴史ある商社、百田陶園(ももたとうえん)が中心となり有田焼の窯元3社と共同で作っています。ブランドは2012年にオープンした東京・丸の内の高級ホテル「パレスホテル東京」への出店オファーがきっかけとなりスタートしました。

有田焼のショップ出店を行う上で、まったく新しい有田焼を作り、東京はもちろん世界へ発信して行こう!と考えた百田陶園の社長百田氏は、出店を機に新しいプロダクト・ブランドの立ち上げを決意。そして、グローバルな感性を持ったデザイナーとして、グラフィックから空間までを幅広く手がけるデザイナー柳原照弘氏(やなぎはらてるひろ)を迎えました。

そして、400年前の初めて有田焼が焼かれた当時の「装飾の無い白磁」に原点を求め、現在のシンプルでモダンな食器、TY standard シリーズ、次いでオランダのデザイナーユニットショルテン&バーイングスによるパステルカラーの食器S&Bシリーズが誕生しました。

1616アリタスクエアボウル

そして、1616/arita japanのブランドネーム。これは「世界共通の記号である数字を使いたい」という百田陶園の百田氏の提案と、「世界へ向けて“日本”と“有田”も強調させよう」というデザイナーの柳原照弘氏の提案が組み合わさり、「1616 / Arita Japan」の名が生まれたそうです。

来年は2016、aritaで何が起こる?

来年は誕生400周年を迎える有田焼。佐賀県有田では引き続き有田焼の窯元10社とデザイナーである柳原照弘氏ら16組のデザイナーが中心となり「2016/Project」が進められています。「2016/Project」では有田焼の歴史と、現代のライフスタイルを融合させたお皿や商品の開発が着々と進行中。来年発売予定のラインナップを今か今かと楽しみにしています。

1616arita

歴史や文化を理解し、その原点を忘れずに美しいものづくりを進める「1616/arita japan」。その心意気が「1616」のブランド名にも表れているのですね。

モダンな有田焼1616/arita japanの詳しい説明はこちら☆