「温かいお茶が冷めにくい」 「日本らしい、オリエンタルな雰囲気が素敵!」 「ずっしりとした重厚感のあるデザインがラグジュアリー」 そんな賛辞と共に、昨今海外での人気が高まっている南部鉄器や山形鋳物。 海外ではパリの高級ホテルのラウンジの他、マリアージュフレールやシンガポールのTWGなど高級なティーサロンのティーポットとしても人気を博しています。 海外旅行へ行った、店長早瀬の友人からは、 「ロサンゼルスのセレクトショップでも見かけたよ」 「ベルギーのホテルでも紅茶を頼んだら出て来たよ」 「タイのデパートでも売っていたよ」 と、世界各国から南部鉄器や山形鋳物の目撃情報が集まっております。(笑) さて、ここで少し知っておくとちょっと勉強になる情報が、

山形鋳物と南部鉄器の違い

独特のフォルムと重そうな鉄の質感が印象的な山形鋳物(やまがたいもの)と南部鉄器(なんぶてっき)。 日本デザインストアでは、まだなかなか「これ!」という南部鉄器に出会えていないため、現在は山形鋳物である鋳心ノ工房(ちゅうしんのこうぼう)のモダンなティーポットのみご紹介をしておりますが、一般的な知名度では南部鉄器の方が高いのかもしれませんね。 (※2016年、ようやく「これ!」という南部鉄器の鉄瓶に出会えましたので、南部鉄器の製品も仲間入りしました。 南部鉄器につきましては大切に育てたい!お水が美味しくなる一生モノの南部鉄瓶とは?をどうぞご覧ください。)   そこで今回は知っていそうであまり知られていない、山形鋳物と南部鉄器の違いについて少しご紹介をしたいと思います。 山形鋳物である鋳心ノ工房のティーポット・急須については「シンプルモダンの代名詞 山形鋳物のおしゃれなティーポット」をごらん下さい。

南部鉄器・山形鋳物の違いは産地・デザイン

teapot まず共通点からご紹介を致しますと、南部鉄器も山形鋳物も材料は「鉄」であり「鉄器」であることは一緒です。 また特徴的な南部鉄器と山形鋳物の製法である「鋳型に金属を流し込み、冷えて固まった後に型から取り出す」という製法も一緒です。 では南部鉄器と山形鋳物のどこが異なるか? それは産地とデザインです。ここでは特に産地による意味合いが深く関わってきます。 まず知名度の高い南部鉄器の産地。 こちらは岩手県の盛岡を中心に発達し今でも制作が続けられています。 次に山形鋳物の産地。 こちらはその名の通り、山形県で制作されています。 どちらも歴史は古く職人の技術力の高さは変わりませんが、 ・岩手県にはもともと良質な鉄の産地があるということ ・鉄の産地という地の利から、その昔南部藩の藩主が南部藩の産業として鋳物を奨励したこと 以上の2点より、南部鉄器の方が全国的に見ても知名度が高くなったといわれています。 次に異なるのはデザイン。 南部鉄器は華やかな装飾的で、山形鋳物はシンプルなのが特徴です。 南部鉄器の装飾として、表面にはアラレやトンボなど古くから親しまれた模様をつけることが多いといわれています(表面のポコポコとしたあれです)。 近年では桜模様や梅模様、またピンクや白などカラフルなカラー南部鉄器も人気が出てきていますね。 それとは対象に山形鋳物は言わば「引き算の美学」でデザインされた鋳物。 南部鉄器がお洒落で可愛い見た目であれば、山形鋳物はシンプルでモダンなデザインが特徴です。 見た目は南部鉄器程の華やかさが無く地味な印象ですが、見飽きる事のない普遍的な美しさと、使えば使うほど表情が変化してくるという味わい深さがあります。

南部鉄器も山形鋳物も、使い込むのが楽しい

南部鉄器と山形鋳物の違い、簡単な説明ではありましたがいかがでしたでしょうか。 山形鋳物の起源はなんと今から950年前の平安時代。 近年の海外ブームもあり再び注目をされる鋳物ですが、長い長い年月を経て現在に至る事が分かります。 鉄器は使用後の水滴をきちんと拭き取る…など上手に手入れをしながら使うことが大切になってきますが、その昔は日本人が当たり前のようにして来た事。 現代の生活の中にはあまり残っていない習慣かもしれませんが、「お茶をゆっくり淹れて丁寧な時間を過ごす」「暮らしの道具を長く愛用し使い込んでいく」という日本の素晴らしい生活文化を感じることが出来るのではないでしょうか。 □本日ご紹介した山形鋳物のティーポットはこちら ・山形鋳物のスリムな急須:ティーポット/ティーポット丸筒S 黒/鋳心ノ工房 ・山形鋳物のコロンとした急須:ティーポット/ティーポット丸玉S 黒/鋳心ノ工房   ☆プレゼントやギフト・引き出物に最適なおしゃれな和モダン伝統工芸品 日本デザインストア☆